お互いが想う事





チョッパーが、タフィーをゾロに差し出した時
口で直接貰っていたゾロに、サンジは思わず顔がにやけそうになった。

『『『『お前、手、空いてるだろうが』』』』

心の中の突っ込みは、キッチンの中と外の両方から。
無愛想でごつい剣士と動物の絡みと云うのは中々に面白く
皆が交代で見に来るのも納得できる。
また、かぼちゃの良いのが見つかったら
ちょっと多めに仕入れとくか。
あの二人は、見てて飽きない―――

そんな事を考えながら、オヤツに使った食器を洗い
夕食の準備へと取り掛かるサンジ。



ゾロは鍛錬をしながら
ふと、先程迄の時間を思い出す。
今日は、コックもチョッパーも良く笑ってたな
あの二人のやり取りを見ていると
『母親と子供か』
と、突っ込みを入れたくなる。
何だかやたら、ほのぼのとした空気が流れるのだ。
あいつらも、毎回あの二人を見に来るが、その気持ちは解る。
あの二人は、見てて飽きない―――





お互いが、そんな風に思っていたが


仲間達が全員

―――本当に、あの『三人』は見てて飽きない

そう、思っている事を
その後も二人が気が付く事は、無かった。


                                                                    END